大いなる自然の恵みが廣榮堂のお菓子の素材です。
「きびだんご」の原料のひとつ、黍は、アジア、北アフリカ、南ヨーロッパなどで古くから栽培されていた穀物です。その後、日本へ伝来したと考えられています。とくに岡山県は収穫量が多く、古代「吉備国」と名付けられたほどです。この黍でつくった団子は短期の保存食や携帯食として重宝され、人々の生活に密着した食物だったようです。「きびだんご」はまさに岡山県の風土が生んだ自然の恵みなのです。
昭和51年、廣榮堂は創業時の手づくりの味にこだわった「むかし吉備団子」復活のため、主原料であるもち米の特別栽培を地元JA岡山高松支所に依頼しました。特別栽培による農作物の美味しさや効能は今でこそ皆さんに認知されていますが、当時は全国的に見ても、この原始農法への回帰は先駆的存在でした。
岡山市高松地区は、「政所もち」で知られた優良なもち米の産地です。しかし、生産農家の方々の特別栽培米への取り組みは決して平坦なものではありませんでした。この農法による美味しさは確かなのですが、非効率なうえ、病害虫との厳しい闘いで、収穫量は通常の60%に減少。JA岡山高松支所と生産農家の方々はこの困難に30年の時間と労力を費やし、それぞれの熱い思いで克服していただいたことは、本当に感謝しております。
お客様に「健康」と「安全」をお届けするため、これからも農家の方々との二人三脚で、もち米はもちろん、より確かな素材にこだわって、「本当の美味しさ」を追求してまいります。
五感の芸術品 ― 和菓子 伝統を守り、未来に伝えます。
五感の芸術品―和菓子は、私たちの一生と強い結びつきを持っています。喜びの時も、悲しみの時も、人生のあらゆるシーンで欠かすことのできない名脇役として、育まれてきました。人生とともに生きる和菓子だからこそ、心のふれあい、やすらぎ、ぬくもりを感じることができるのです。
HACCPに準拠した最新の工場と生産ラインにおいても、安全で清潔な作業が行えるかどうかは、社員の管理・運営にかかっています。また、お客様に満足していただける「美味しい」商品をご提供するには、菓子づくりへの情熱が最も重要です。廣榮堂は常に、最良の材料を使って、もっと美味しいもの、もっとお客様に喜ばれる和菓子をつくりたいという、創業の心を守って仕事をしています。味はもちろんのこと、見て、触れて、香って…五感で楽しむことのできる季節感あふれる商品構成。さらに、伝統の中に新しいアイデアを加え、時代の感性にあった和菓子づくりにも取り組んでいます。
人の心を映す和菓子だからこそ、心と技を磨くことを目的に、文化や芸術の吸収を日々心がけ、技と経験に裏づけられた勘=ものづくりの心の伝承にも余念がありません。製造スタッフを中心にした新作和菓子への挑戦はもとより、創作和菓子のコンテストにも積極的に参加しています。全国菓子大博覧会で名誉総裁賞受賞など、数々の栄誉に輝いています。
機械にたよるのではなく、機械を使いこなす人の心が、廣榮堂には確実に受け継がれているのです。
岡山をもっと楽しく
踊り連の後ろではきびだんごの試食を沿道の方々にお配りし、喜んでいただいています。2015年からは「おかやまマラソン」に協賛。通常の『海塩きびだんご』の塩分を1.4倍にした『エナジー海塩きびだんご』を給食所でランナー限定で配布し、「また食べたい」「どこで買えるの」といった声を多くいただきました。その声に応えて2017年に『スポーツきびだんご』を商品化しました。
そのほか、毎年12月最終週には餅つきのイベントを開催。製造・営業・販売・本社が一体となって地域のお客様に感謝の気持ちを込め、餅つき体験やおぜんざいのふるまいなどを行います。
岡山に笑顔を増やす廣榮堂の取り組みです。